口臭

胃から上がってくる臭いが気になる・口の中に酸味を感じる

胃から上がってくる臭いが気になる・口の中に酸味を感じる口臭はふとした拍子に気になってしまうことがよくあります。ドラッグストアやコンビニには、口臭対策のガム・タブレット・スプレー・歯みがきなども数多く売られています。口臭の主な原因は口内の虫歯や歯周病、そして臭いの強い食事やケア不足ですが、それ以外にも強いストレスで唾液分泌が減少して生じることも珍しくありません。
そして、胃疾患の症状として口臭が強くなる場合もあります。当院では胃の問題による口臭の診察を行っています。口内トラブルがなく、原因のわからない口臭が気になる場合には、気軽にご相談ください。

口臭の主な原因

口臭が強くなる場合、様々な原因が考えられますが、主に下記の原因に分けられます。

口腔トラブル・食事

口腔トラブル・食事口腔トラブルでは、虫歯や歯周病をはじめ、唾液が不足するドライマウス、舌苔など口の中に原因があって口臭が生じます。こうした口腔の疾患だけでなく、口内の汚れが残っている場合にも口臭が強くなります。こうした場合には、歯科で治療や定期的なクリーニングを受ける、食後は丁寧に歯みがきするなどの対策で口臭を改善できます。特に、歯痛、歯茎の腫れや出血など口腔トラブルがある場合には早めに歯科を受診してください。
また匂いの強いニンニク・ニラ・タマネギなどを沢山食べた後にも口臭が強くなります。大量に食べた場合には翌日にも匂いが残りますが、一般的な量であれば丁寧な歯みがきをして時間が経過することで解消に向かいます。

消化管疾患

消化管疾患食道・胃・十二指腸といった上部消化管の疾患による症状として口臭が強まることがあります。原因疾患には、逆流性食道炎、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、ピロリ菌感染などがあります。
こうした疾患は胃カメラ検査によって早期発見でき、疾患や状態に合わせた治療により口臭改善効果も期待できます。(当院の胃カメラ検査は、専門医が麻酔(鎮静剤)を用いて質の高い内視鏡検査を行っております。)
他にも消化管疾患では、便秘も口臭の原因になるケースがあります。便秘で体内に便が長時間とどまってしまうと腐敗物質が増加し、それが血液を通じて肺に運ばれ、呼気として排出され、その際に強い口臭を生じることがあります。頑固な便秘があって口臭が気になっている場合もご相談ください。

その他

過度なダイエットではエネルギー不足が起こり、体内にケトン体という物質が生じて口臭を強くするケースがあります。
他にも疾患では、鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)など鼻の病気、口蓋扁桃や咽頭疾患、糖尿病・腎不全・肝疾患など内科的疾患も、口臭の原因になることがあります。

胃から上がってくる臭い・口内に酸味が感じられる際に疑われる疾患

様々な消化器疾患が疑われますが、主に下記の疾患が原因になって生じています。早期発見治療するには、胃カメラ検査を適切に受けることが非常に重要です。

逆流性食道炎

胃酸を含む胃の内容物が逆流し、食道に炎症を起こす疾患です。口臭以外に、胸やけ・胃もたれ、呑酸(酸味が口まで上がってくる)、げっぷ、喉の違和感、慢性的な咳などの症状を伴うことがあります。


慢性胃炎

慢性的な胃炎の主な原因は、ピロリ菌感染、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の副作用、ストレスなどとなっています。主な症状には、胃痛、吐き気、腹部不快感、食欲不振などがありますが、他に目立った症状がなく、口臭をきっかけに発見されることもあります。


胃・十二指腸潰瘍

慢性胃炎と同様に、ピロリ菌感染、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)の副作用、ストレスなどによって生じます。胃や十二指腸の粘膜が深く傷付いて、びらんや潰瘍などを起こしている状態です。
主な症状には、胃やみぞおちの痛み、胸やけ、吐き気、げっぷ、食欲不振・体重減少などがあり、口臭を伴うこともあります。また、黒いタール便や吐血、貧血などを起こすこともあります。


胃がん

早期には明確な症状が現れにくく、進行に従って胃やみぞおちの痛み・不快感、胸やけ、食欲不振、吐血、黒いタール便などを生じ、口臭を伴うこともあります。高齢化によって罹患者数が増加傾向にありますが、日本人にはもともと多いがんであることから、早期発見や有効な治療法の研究も進んでいます。


ピロリ菌感染

ピロリ菌感染では胃に慢性的な炎症が起こり、胃酸分泌も過剰になります。その胃酸の臭いが口に上がっていって口臭となるケースがあります。胃カメラ検査、ピロリ菌検査をしっかりと受け診断し、除菌加療をすることが勧められます。


副鼻腔炎・扁桃炎・糖尿病など

鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)など鼻の病気、口蓋扁桃や咽頭疾患、糖尿病・腎不全・肝疾患といった内科的疾患なども口臭の原因になる場合があります。血液検査や尿検査をすることがあります。

胃がんと口臭の関連

胃がんでは口臭が症状として現れるケースがあります。胃に発生したがん細胞が壊死することで生じた壊疽臭が呼気に出てきて口臭となります。

胃から上がってくる臭いや胃からくる口臭・口内に酸味が感じられる場合の検査

胃から上がってくる臭いや胃からくる口臭・口内に酸味が感じられる場合の検査逆流性食道炎の可能性があります。胃酸を抑えるお薬を処方し治療を開始します。食生活(辛いものや、油っぽいもの、刺激物を減らしたり、食べすぎない)や生活習慣(タバコや、お酒を控えることや、食後すぐに横にならないなど)を見直すことで改善を見込めることもあります。同時に、原因検索のひとつとして、胃カメラ検査で精査をします。

口臭が気になった際にまず疑われるのは口内です。歯周病などの口内の問題であることが大多数であるとされています。必ず歯科を受診しましょう。単純なケア不足、虫歯・歯周病などが口臭の原因になっているケースであれば、歯科治療やクリーニング、丁寧な日々のブラッシングで改善が期待できます。特に、虫歯、歯茎の腫れや出血などがある場合には早めに歯科を受診しましょう。

ただし、口臭は内科疾患の症状として起きているケースもあります。口臭に加えて、食道・胃・十二指腸疾患が疑われる症状がある場合や、慢性的な便秘がある場合、そして口内の状態が悪くないのに口臭があるという場合には、消化器内科の受診をお勧めしています。
当院では、胃カメラ検査(当院の胃カメラ検査は、専門医が麻酔(鎮静剤)を用いて質の高い内視鏡検査を行っております。)をはじめとした消化器の精密な検査を行った上で、正確な診断のもとに適切な治療を行っています。

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