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「胃がん」について詳しくご存知ですか?🩺



こんにちは🌼
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥✨

本日は、
近年の医療技術の進歩により、早期発見で治癒が期待できるとされている
「胃がん」についてのお話です🩺

胃がん…
聞いたことはあるけれど、実際どれくらい生命に関わる病気なの?
早期発見のためにはどうしたらいいの?
そんな多くの疑問に本日はお答えをしていきたいと思います💡

胃がんとは、胃の内側の粘膜にできる悪性腫瘍の一種です。
特に多いとされているのが「腺がん」と呼ばれるタイプですが、進行度やがんの種類によって治療の選択肢が大きく変わります。
先ほどお伝えした内容の通り、近年の医療技術の進歩により、胃がんは早期に発見することで治癒の可能性が非常に高い病気となっています。そのため、「普段から定期的に胃カメラ検査などを受けること」、「日々の体調の変化にいち早く気が付くこと」がとても大切です👆

「40歳以上の方でこれまで一度も胃カメラ検査を受けたことがない方」
「普段から胃の不快感がある方」
この機会にぜひ一度、胃カメラ検査をご検討ください🍀

~胃がんの種類について~
胃がんにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。

主な種類
❶スキルス胃がん
【特徴】
スキルス胃がんは、胃がんの中でも非常に進行が早いタイプです。
このがんは胃の壁全体に浸潤する特徴があり、診断時にはすでにリンパ節や腹膜への転移が認められるケースが多く見られます。特に腫瘍が胃粘膜の表面に現れにくいため、胃カメラ検査でも早期発見が非常に難しいとされています。

【危険性】
スキルス胃がんは腹膜播種や腹水を伴うことが多く、病状が進行すると患者さんの体力を著しく奪ってしまいます。そのため、治療の中心は化学療法となりますが、治療成績は他の胃がんに比べて厳しい傾向があります。このタイプは比較的若い人にも発生しやすく、発生率は全胃がんの10~15%程度とされています。

❷印環細胞がん
【特徴】
印環細胞がんは、がん細胞が「印環」と呼ばれる特有の形状をしているのが特徴で、細胞内に多くの粘液を含みます。
このタイプは胃がん全体の5~10%ほどとされています。若い人や女性に多く発生する傾向があり、特に女性ホルモンとの関係が研究されています。
また、がん細胞が胃壁の粘膜下層や筋層へ浸潤しやすい性質を持っています。

【危険性】
印環細胞がんはスキルス胃がんと似た進行パターンを取ることが多く、胃カメラ検査をでも診断が難しい場合があります。
また、早期に発見されてもリンパ節や腹膜、さらには肝臓や肺などの遠隔臓器への転移リスクが非常に高いのが特徴です。

❸未分化型腺がん
【特徴】
未分化型腺がんは、がん細胞の分化度(成熟度)が低く、形状が不規則な腺がんです。
このタイプのがん細胞は、正常な胃粘膜組織とは大きく異なる形状を持ち、境界がはっきりとしないため周囲の組織に浸潤しやすい性質があります。
未分化型は胃がん全体の15~20%を占めています。

【危険性】
このタイプのがんは進行が早く、他の部位への転移リスクも非常に高いです。
治療には化学療法が使用されますが、その効果は患者さんごとに異なり、治療の難易度が高い場合もあります。

❹粘液がん
【特徴】
粘液がんは腺がんの一種で、多量の粘液を分泌する腫瘍細胞を持っています。
胃壁の粘膜下層や筋層に浸潤することが多く、全胃がんの5%未満と発生率は比較的低いですが、治療には慎重な対応が求められます。

【危険性】
スキルス胃がんや未分化型腺がんほど急速には進行しないものの、治療が難しい場合も少なくありません。
腫瘍が周囲に広がりやすい性質があるため、早期発見と適切な治療がとても重要です。

❺分化型腺がん
【特徴】
分化型腺がんは、胃粘膜の腺細胞が比較的正常に近い形状を保っているのが特徴です。
そのため、腫瘍の境界が比較的明瞭で、進行が遅い傾向があります。胃がん全体の50%近くを占め、早期に発見されれば内視鏡治療が可能な場合も多いです。

【危険性】
分化型腺がんは早期に発見された場合、治癒率が高いのが特徴です。
しかし、進行が進むと周囲への浸潤やリンパ節への転移が起こり、他の胃がんと同様に治療が難しくなるため、早期発見が非常に重要です。

このように胃がんは、種類によって進行が非常に早いものがあり、早期発見・早期治療には定期的な胃カメラ検査は非常に有効なものとなります。そのため当院では、年に一度の胃カメラ検査を強く推奨しております👨‍⚕️

~胃がんのリスクと発症の原因~
胃がんの発症にはいくつかのリスク要因が知られています。
これらをよく理解することで、日常生活の中で発生リスクを減らし、早期発見につなげることができます。

❶ヘリコバクター・ピロリ菌の感染
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃がんに深く関与している菌として知られています。
多くの胃がんの患者さんでこの菌の感染が確認されており、特に慢性的な胃炎や胃潰瘍を引き起こすことがあります。

ピロリ菌に感染しているかどうかは簡単な検査で調べることができ、陽性と判明した場合には「除菌治療」を正しく行うことで、胃がん発生リスクを大幅に減らすことができます。

また、除菌治療を行うことで胃がんだけでなく、胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった疾患の予防にもつながります。特に、ピロリ菌感染が広がりやすい家族内感染が疑われる場合には、早めの検査と治療を検討することをおすすめいたします。

❷生活習慣の影響
私たちの日々の食事や生活習慣も、胃がんの発症リスクに大きく関わっています。例えば、

❎塩分の高い食品や燻製食品🧀
漬物や味噌汁、燻製食品などの塩分の多い食品を長期間摂取し続けることは、胃の粘膜に大きな負担をかけてしまい、炎症やダメージを引き起こす原因となることがあります。日本の食文化では、塩分の多い食品が好まれることも多いため、適度な摂取量を心がけることが大切です。

新鮮な野菜や果物の摂取🍋
新鮮な野菜や果物には身体に必要なビタミンや抗酸化物質が豊富に含まれており、胃粘膜を保護する役割があります。
例えば、ビタミンCは胃がんのリスクを低下させる効果があるとされています。
普段の食生活の中に積極的に取り入れることで、胃がんの予防に役立てることができます。

❎喫煙と飲酒🍺
喫煙は胃の細胞に直接ダメージを与え、胃がんを引き起こすリスクを高めます。
また、アルコールも摂取量が多い場合、胃がんの発症率が上昇することが報告されています。禁煙や適度な飲酒は、胃だけでなく全身の健康を守るために非常に重要です。

❸家族歴や年齢
家族に胃がんを患った方がいる場合、その発症リスクがそうでない方に比べやや高くなることが知られています。
これは、遺伝的な要因に加え、家庭内で共有される食生活やピロリ菌感染が影響している可能性があるからです。
また、胃がんは加齢とともに発症リスクが高まる傾向があります。特に40歳以上の方は、定期的な健康診断や胃カメラ検査を受けることで、早期発見が可能になります。
胃の不調を「年齢のせい」と思い込み放置せず、少しでも異常を感じたら早めに医師にご相談することをおすすめいたします。

~胃がんの症状とは~
胃がんの初期段階には明らかな症状が現れにくいことがありますが、以下のような症状がある場合には特に注意をしてください。お身体からのSOSの場合がございます⚠️

・食後の不快感や胃の痛み
・食欲がなくなる、または大幅に体重が減少している
・胸やけや吐き気が続く
・便が黒っぽい(血液が混じっている可能性があります)

これらの症状がある場合でも、必ずしも胃がんがあるとは限りませんが、気になる場合には早めに医師にご相談ください。

~胃がんの診断方法~
胃がんの診断には、胃カメラ検査は欠かせません。
胃カメラ検査では、胃の中を直接内視鏡にて観察をし、必要に応じて組織を採取して詳しく調べることができます。
また、がんの進行度を把握するために、CT検査や血液検査が行われることもあります。
検査結果に基づいて、患者さんお一人おひとりに適した治療プランを立てることができます。

~胃がんの進行度(ステージ)について~
胃がんは、進行の程度に応じてステージ0からIVまでに分類されます。

・ステージ0(早期がん):胃粘膜内にがんがとどまっている状態。
・ステージI:胃壁の浅い部分にがんが広がっている状態。
・ステージII〜III:がんが胃の深い部分に浸潤し、リンパ節への転移が確認できる状態。
・ステージIV:他の臓器やリンパ節にがんが転移している状態。

ステージが早いほど治療の選択肢が広がり、治癒の可能性も高くなります。

~胃がんの主な治療法~
がんの治療は、患者さんお一人おひとりの状態や希望に寄り添い、最適な治療法を一緒に考え、選択していきます。
がん治療の基本方針は、患者さんの負担をできるだけ軽減しながら、最良の結果を得ることです!

✅内視鏡治療
早期がん(ステージ0や一部のステージI)の場合、内視鏡を用いて病変を切除することが可能です。この方法はお身体への負担が少なく、早期に回復できます。

✅手術
進行がんの場合、胃の一部または全体を取り除く手術が行われます。手術ではがんだけでなく、転移の可能性があるリンパ節も切除します。

✅化学療法(抗がん剤)
がんが進行している場合や手術後の再発予防のために行われます。最近では、身体に優しい薬剤や、がんの性質に応じた標的治療薬も使用されるようになっています。

✅緩和ケア
症状を和らげ、生活の質を向上させるためのケアも重要です。患者さんが安心して日常生活を送れるよう支援します。

~さいごに~
胃がんを早期に発見し、適切に治療するためには、胃カメラ検査がとても重要です。
定期的に胃カメラ検査を受けることで、まだ症状が現れていない段階の胃がんをいち早く見つけることができ、負担の少ない治療につなげることが可能です。

胃カメラ検査というと「苦しそう」「怖い」というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、当院では鎮静剤をした負担の少ない検査を実施しております。

胃カメラ検査について、少しでもご不安なことがありましたら、事前に医師や看護師にお気軽にご相談ください💁‍♀️
また、胃カメラ検査を受けることで、「何もなかった」という安心を得られることも大きなメリットです🍀

皆さまがリラックスして胃カメラ検査に臨めるよう、しっかりとサポートをいたしますので、どうぞ安心してお越しください。

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