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お尻のお悩みとウォシュレット🚻


こんにちは🌼
立川駅前こばやし内科・胃と大腸内視鏡クリニックです🏥✨

突然ですが、皆さまおしりのお悩みはありませんか?
排便時に肛門が痛い、出血することがあるなどなど・・・🌀

一度はおしりの症状を感じたことのある方も多いのではないでしょうか?
しかし、場所が場所…受診をためらわれている方やお尻の診察や治療ってどんなことをするの?と不安や疑問に思っている方、恥ずかしいからとお尻のお悩みを先延ばしにしている方、ぜひ当記事を最後まで読んでみてください💁‍♀️

当院では痔の手術は行っておりませんが、切らない内痔核治療(ジオン注射)や切開などの処置、軟膏などの処方は行っておりますので、お気軽にご相談くださいませ💁‍♀️

ではまず、肛門疾患には主にどんなものがあるか解説していきましょう!
ご自身の症状と似ている症状はございますか?

❶いぼ痔(痔核(じかく))
習慣的な過度のいきみや肛門への負担が大きい姿勢や動作などによって肛門周辺の血流が滞り、血管が詰まって痔核と呼ばれるいぼのような腫れを生じる疾患です。主に以下の2種類があります。

【内痔核(ないじかく)】
歯状線(肛門と直腸の境)より内側の直腸粘膜にできます。
粘膜には知覚神経がないため、痛みを起こすことはほとんどありませんが、出血を伴うことがあります。

☐ 症状
・肛門内に違和感や重苦しさを感じることがあります。
・排便後に肛門に違和感や不快感を感じることがあります。

◻︎進行すると。。。
内痔核が大きくなると排便時に硬い便が擦れて出血し、それにより発見されることがよくあります。ポタポタ垂れるような出血を起こすこともあります。
さらに大きくなると、排便時に痔核が肛門外に飛び出してしまう「脱肛」を起こします。最初は自然に戻りますが、進行すると排便時以外にも脱肛して肛門周辺の皮膚に粘液や便が付着し、炎症を起こすことがあります。また、脱肛が悪化すると指で押し込まないと戻らなくなり、最終的には押しても戻すことが難しくなります。

【外痔核(がいじかく)】
歯状線(肛門と直腸の境)より外側である肛門の皮膚にできます。痛みやかゆみを伴うことが多いです。
場合によっては血栓を形成することがあります。

☐ 症状
・肛門の腫れや膨らみ、肛門の外側に小さな腫れや膨らみが見られることがあります。
・排便時や長時間座っているときに痛みを感じることがあります。

また、血栓ができることが原因で激しい痛みを伴うこともあります。
・内痔核と同様、便に血が混じることがありますが、外痔核では肛門周辺の腫れや痛みとともに出血することが多いです。

□ 原因
便秘や下痢、長時間の座位、過度の圧力(重い物を持ち上げるなど)などが主な原因です。

❷肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)
肛門や直腸周囲に膿がたまる病状です。膿瘍が進行すると、肛門に激しい痛みや腫れを引き起こします。

□ 原因
肛門周囲の腺が感染することで発生することが多いです。
炎症が進行して膿が形成されることがあり、進行すると「痔瘻」になります。

❸裂肛(れっこう)
肛門の皮膚が裂けることで、便を排泄する際に痛みを伴います。
通常、便が硬くて排便時に肛門を傷つけることが原因です。

□ 症状
排便時の鋭い痛み、出血、便秘を伴うことが多いです。

❹直腸脱(ちょくちょうだつ)
直腸が肛門から外に出てしまう状態です。
通常は高齢者に見られますが、便秘や長期間の圧力が原因となります。

□ 症状
排便時に直腸が外に出る感覚、便秘、排便後の不快感などがあります。

❺肛門癌
肛門周辺に発生する癌で、早期には症状があまり現れないことが多いです。
進行すると、出血や痛み、痔のような症状を引き起こすことがあります。

□ 症状
肛門周囲のしこり、出血、排便時の痛み、肛門の違和感など。

❻肛門掻痒症(こうもんそうようしょう)
肛門周囲に強いかゆみを感じる病状です。
外部刺激やアレルギー、感染症などが原因になることがあります。

□ 症状
強いかゆみや炎症、肛門周囲の発赤など。

いかがでしょうか?ご自身の症状や状態に似ているものはございましたか?
これらの疾患は、早期に適切な治療を受けることで軽減や治癒が期待できます。
長期間放置すると症状が悪化することがありますので、専門の医師にご相談することをおすすめいたします*

つぎに肛門疾患の治療方法についてお話いたします☝🏻

❶いぼ痔(痔核(じかく)) 
〜治療法〜

✅薬物療法
処方薬として、炎症を抑える軟膏や座薬を使用します。これにより痛みや出血を軽減できます。当院では患者さまのご症状にあわせて注入軟膏を処方することが多いです。

✅生活習慣の改善
便秘を防ぐために食事や水分摂取を改善し、トイレでの長時間の座り込みを避けます。慢性の便秘をきたしている患者さまには便を柔らくする処方いたします。おしりの悩みの多くの原因が便秘からくることが多いです。

✅手術療法
症状がひどい場合には、痔の切除やゴム輪結紮術(ゴム輪で血流を止める方法)などが行われることがあります。当院では痔の手術は行っておりません。手術が必要と医師が判断した場合は適切な医療機関にご紹介させていただきます。

✅ジオン注射
外来で行える痔の治療です。当院でも行っているので少し詳しくお伝えします。

ジオン注射は、痔核に直接注射することで、以下のような効果を得ることを目的としています。
①血管収縮
痔核が腫れて膨らんでいる部分に対して、ジオンが血管を収縮させ、血液の流れを制限することで、痔核を縮小させます。

②炎症の抑制
薬剤が注入されることによって、局所的な炎症が抑制され、痛みや腫れを軽減します。

③組織の硬化
ジオンは、注射された部位の組織を硬化させ、痔核が元の位置に戻りにくくなるようにします。

〜治療の流れ〜
①診断と検査
まず、患者さまのご症状や痔の状態を診察し、ジオン注射が適切かどうかを判断します。

②注射
痛みを最小限に抑えるため、局所麻酔を行った後、痔核に直接ジオンを注射します。

③経過観察
注射後、しばらく経過を観察し、効果や副作用の有無を確認します。問題なければ、生活の注意点をお伝えしご帰宅していただきます。

〜メリット〜
・外科的手術を避けることができるため、負担を最小限におさえることができます。
・入院の必要がなく、外来で行うことができるため、日常生活への影響が少ないです。
・痔核が改善し、再発リスクが減少する場合があります。

〜デメリットと注意点〜
・効果には個人差があり、すべての患者さまに効果があるわけではありません。
・稀にアレルギー反応や感染のリスクがあるため、注射後の観察が必要です。
・1回の注射では完全に治療が完了しない場合もあり、複数回の治療が必要となることがあります。

詳細は当院のホームページにも記載しておりますので、ご興味のある方はご確認、お問い合わせ下さい🍀

❷肛門周囲膿瘍
〜治療法〜

✅抗生物質
感染が原因の場合、抗生物質を使用して感染を抑えます。

✅排膿
膿がたまっている部分を切開して排出します。当院でも実施可能です。

✅外科的治療
膿瘍が大きい場合や再発する場合には、手術による治療が必要です。

❸肛門裂傷
〜治療法〜
✅局所治療
肛門裂傷用の軟膏や座薬を使用して、痛みを和らげ、傷の治癒を促進します。

✅食生活の改善
便秘を防ぐために食物繊維や水分を多く摂取し、便を柔らかくすることが大切です。

✅手術療法
ひどい裂傷や慢性化した場合、手術によって治療を行うことがあります。

❹肛門がん
〜治療法〜
✅外科手術
がんが局所的である場合、外科手術により腫瘍を切除します。

✅放射線療法
がんの広がりを抑えるために放射線療法が使用されることがあります。

化学療法
がんが進行している場合には、化学療法が行われることもあります。

❺その他の治療法
✅温湿布
温かいお湯に浸かることで、肛門の血行を改善し、痛みを軽減できます。

✅生活改善
肛門疾患を予防するためには、便秘の予防や適切な排便姿勢を維持することが重要です。長時間の座りっぱなしや、過度な力みを避けることが推奨されます。

👆ウォシュレットと痔のお話
お尻にお悩みを抱えている方でウォシュレットを常用しているという方も多いのではないでしょうか?
痔を持っている人がウォシュレットを使うことは、場合によっては症状の改善や緩和に役立つことがありますが、使用方法によっては逆に症状を悪化させてしまうこともあるのです😱
使用したい場合は1日1回を目安にしましょう!
ウォシュレットの使い方とその影響について、以下に詳しく説明していきますので参考にしてみてください!

〜ウォシュレットのメリット〜
ウォシュレットは温水で肛門周りを洗浄できるため、痔の症状によっては以下のような利点があることがあります。
✅清潔感を保てる
トイレットペーパーでの拭き取りが辛い場合でも、ウォシュレットを使うことで肛門周りを優しく洗い、清潔を保つことができます。

✅刺激の軽減
便秘や下痢が原因で肛門周辺に炎症が起きている場合、トイレットペーパーで強く擦るよりも温水で洗い流すほうが刺激を少なくできます。

✅温水による血行促進
温水を使用することで肛門周辺の血行が良くなり、炎症が和らぐこともあります。

〜ウォシュレット使用時の注意点〜
お尻の状態によってはウォシュレットの使い方を誤ると、症状が悪化することもあります。注意すべき点は以下の通りです。
✅水圧が強すぎないか確認
強すぎる水圧は、痔核を刺激し、痛みや出血を引き起こす原因となります。ウォシュレットを使用する際は、優しく温水を流すようにし、水圧を適切に調整することが大切です。

✅温度に注意
あまりに熱い温水を使用すると、肛門周辺の皮膚を刺激して、痔を悪化させることがあります。適切な温度(ぬるま湯程度)で使用するようにしましょう。

✅長時間の使用は避ける
長時間ウォシュレットを使用し続けると、肛門周辺が乾燥して逆に炎症を引き起こすことがあります。洗浄後は軽くタオルで押さえるなどして、優しく乾燥させると良いです。

✅使用後の手入れ
ウォシュレット後に肛門周辺が湿ったままだと、かえって細菌感染や炎症を引き起こす可能性があります。軽く押さえるようにして乾燥させることが大切です。

〜痔に関連する症状による使い方の違い〜
✅内痔核(ないじかく)や外痔核(がいじかく)の場合
痔核が腫れて痛みがある場合、強い水圧や熱い水は刺激となり、逆に症状を悪化させることがあるため、軽く、ぬるま湯で洗浄することが重要です。

✅裂肛(れっこう)や肛門周囲膿瘍の場合
肛門周囲に傷や膿がある場合、ウォシュレットの使用は注意が必要です⚠️刺激や感染を引き起こす可能性があるため、症状が重い場合はウォシュレットの使用を避けた方がよいこともあります。

痔の症状によってはウォシュレットの使用が有効な場合もありますが、1日1回にとどめ、使い方に気をつける必要があります☝🏻水圧を弱め、ぬるま湯を使用し、使用後は優しく乾かすことが基本です。また、症状がひどい場合や治療中の場合は、医師に相談して適切な使用方法を確認することをおすすめします。

いかがでしたでしょうか?💁‍♀️
お尻の気になる症状がある方の治療はもちろん、慢性の便秘を改善したい・ウォシュレットの使い方などなど…

日常生活での注意点やアドバイスを消化器専門医よりさせていただくことができますので、お気軽にご相談くださいませ✨
皆さまのご受診をお待ちしております🏥✨

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