CAD EYEとは
当院に導入されているCAD EYEは、富士フイルム社が開発したAI内視鏡画像診断支援システムです。膨大な内視鏡画像の臨床データを深層学習(Deep Learning)させたAIの画像認識によって、検査中、リアルタイムに疑わしい領域を検出し、病変の発見と鑑別をサポートします。内視鏡画像を医師とAIがダブルチェックすることで、高い精度の内視鏡検査を効率的に行うことが可能になっています。
消化器のがんは現在、早期発見できれば心身への負担が少ない治療で完治が望めるようになっており、微細な早期がんを発見する重要性が高くなっています。ただし、内視鏡検査は、検査を行う医師の経験や知識、技術によって精度が変化する検査であり、粘膜の状態を細部まで確認するためには、内視鏡検査の研鑽を積んだ医師が画像を丁寧にチェックする必要があります。AIの画像診断支援技術が進歩したことで見落としを減らし、高い精度の検査をよりスムーズに行えるようになっています。
また、内視鏡検査は消化器の早期がん発見に不可欠な検査ですが、患者様の心身への負担があります。AIの支援による効率的で高精度な検査・診断は患者様への負担を減らすことにもつながります。
CAD EYEの特徴
AIによる高い精度の内視鏡画像解析
CAD EYEは、質の高い膨大な内視鏡画像の臨床データを深層学習したAIが内視鏡画像を解析し、病変の発見・鑑別・診断をサポートします。病変が疑われる領域を検出する精度は、内視鏡検査経験を積んだ専門医と同等程度とされています。
リアルタイムで異常を検出
CAD EYEは、内視鏡検査中に得た画像をその場で解析し、病変が疑われる領域を表示して医師に伝えます。検査中、リアルタイムにAIからの情報を医師が得られることで、短時間に精度の高い検査が可能になります。
検出支援モード
白色光観察
LCI観察
鑑別支援モード
医師の診断をサポート
CAD EYEのAIによって検出された異常を医師が詳細に観察することで診断をサポートし、AIと医師によるダブルチェックが精度の高い診断につながります。また、検査に対する医師の負担も軽減され、診断効率も上がります。
CAD EYEを使用した内視鏡検査で生まれる患者様のメリット
CAD EYEは、質の高い膨大なデータを深層学習したAIが内視鏡検査中にリアルタイムで画像を解析し、専門医に匹敵する高い精度で病変が疑われる領域を表示します。医師がそれを踏まえて画像を詳細に確認するダブルチェックによって、従来であれば見逃されるリスクのあった微細で表面変化の少ない病変の発見が可能になります。
また、発見した病変の良性・悪性、治療の必要性などを判断する際にも、AIによる情報を役立てることで精度の高い診断が可能になります。例えば、大腸ポリープには将来がん化リスクのあるタイプとそうではないタイプがあり、がん化リスクのあるタイプの場合はその場で切除する手術を行うことで大腸がん予防になります。AIを活用することで大腸ポリープのタイプを高精度に見極めて診断でき、より安全で有効な切除が可能になって合併症リスクも軽減できます。
当院では、最新のAI内視鏡画像診断支援システムCAD EYEを導入することで、患者様の心身への負担を軽減し、できるだけ早く最適な医療につなげられるようにしています。
内視鏡検査に関して、ご不安や心配なこと、ご希望がありましたら、些細なことでも気軽にご相談ください。
CAD EYEが注目される理由
医療の世界では信頼性の高い診断・鑑別が最適な治療の基礎になっており、急速に進歩したAIの解析が様々な分野や領域で生かされはじめています。
特に、画像診断の分野では、膨大な臨床データを深層学習したAIの持つ高い解析精度が大きな注目を集めています。
将来性
AI技術は常に進化しています。
CAD EYEには今後も多くの臨床データが追加されますので、それを深層学習することでAIの能力がさらに向上し、診断精度がより高くなると予測されています。