吐き気と嘔吐について
暴飲暴食や妊娠中のつわり、車酔いなどで起こる吐き気・嘔吐もありますが、中には速やかに治療しなければならない疾患の症状として、起こるケースもあります。
また、緑内障や脳卒中、心筋梗塞などの発作として生じることもあります。 ご自身の吐き気・嘔吐が緊急性の高いものかそうでないかを把握しておくと、いざという時に適切な対処をとることができるようになりますので、ぜひ覚えておきましょう。
緊急性が高くない吐き気
- 一時的に起こった吐き気
吐き気が起こる日常的な原因
車・船酔いや暴飲暴食、妊娠、においによる刺激、舌の根元に刺激を受けた（嘔吐反射）などによって、一時的な吐き気・嘔吐が生じることもあります。
症状として吐き気・嘔吐が起こる消化器疾患
急性胃腸炎
ウィルスや細菌などによって起こる、感染性胃腸炎などが挙げられます。重症化することもあり、特に小さな子どもや高齢者は脱水状態に陥りやすくなるため、要注意です。
急性虫垂炎
初期症状として、吐き気や胃痛を生じることがあります。時間が経つにつれて、痛みが右下腹部へ移動していく特徴を持っています。
急性胆のう炎・胆石発作
放置せずに、消化器内科へ受診する必要がある疾患です。 吐き気や嘔吐などの症状が起こった後に、右上腹部の痛みや発熱などが生じるようになります。
腸閉塞
腸管が閉塞してしまい、吐き気や嘔吐を生じます。緊急性が高く一刻も早く医療機関を受診する必要があります。大腸がんによって生じている場合もあります。
狭心症・心筋梗塞・脳卒中、緑内障
これらの疾患にかかると発作として、吐き気や嘔吐が起こることもあります。 狭心症・心筋梗塞の場合は強い胸痛が、脳卒中の場合は頭痛や麻痺、「ろれつが回らない」などの症状が見られます。
緑内障による発作は、脳卒中からくる発作と似ていますが、最悪の場合失明に至る危険性もあります。これらの疾患の場合も、できるだけ速やかに医療機関へ受診しなければなりません。
長期間続く吐き気・嘔吐が見られる時、疑われる消化器疾患
胃がん
自覚症状に乏しく、ある程度進行しても目立った症状が現れにくいです。 吐き気・嘔吐が現れた場合は、できるだけ早く治療を受ける必要があります。
うつ病
気分の落ち込み、意欲低下などの精神的症状をはじめ、吐き気や嘔吐、胃もたれなどの身体的症状が起こることもあります。
吐き気の対応
食べ過ぎなどによる吐き気でしたら横になり、自然に治るまで安静にして過ごしましょう。吐き気がなかなか治らないようでしたら、放っておかずに消化器内科へ受診してください。
なお、頭痛や胸痛がひどい時、麻痺や「ろれつが回らない」などの症状が見られる場合は、一刻でも早く救急病院へ電話してください。
吐いた時の対処法
消毒を行い、安静にして過ごしてください。吐いた直後でも吐き気が続いている場合は、早めに医療機関へ受診してください。
感染症が疑われる方が吐いた嘔吐物を処理する際は、ビニール手袋やマスクを必ずつけてから掃除を行い、薄めた漂白剤などを使ってきちんと消毒しましょう。
片づけた時に使った手袋やマスクは、全てビニール袋に入れて密閉してから処分してください。
衣類などはきれいな服と一緒に洗わず、別々にして洗濯してください。 全ての片付けが終わった後は、手指を忘れずに消毒しましょう。
